事例紹介1「大学を経て、一般就職したSさん」

2018年05月17日(木)

発達支援教室エレファース及びエレファース進学塾での経緯

Sさんは幼稚園年長クラスの時に発達支援教室エレファース国立教室に御入会され、SEOLEO独自のメソッドによる基礎認知教育と「文字・かず・ことば」の学習を1年間積み重ね、小学校就学後からは学校の進度に合わせて、国語、算数を中心とする教科学習に取り組んできました。親御様からは週2回の授業のたびに学校やご家庭での様子を伺い、教室とご家庭との連携で小学校、中学校の成績はほぼ平均を維持することができました。高校は偏差値50程度の私立普通高校に一般受験で入学し、大学は推薦で偏差値40程度の四年生大学(文系)に進学することができました。大学では希望の分野のゼミ活動を活発に行い、メンバーとの交流を通してコミュニケーションスキルはこの4年間で大きく向上しました。大学4年時からの就職活動では前半は苦戦しましたが、その活動を通して職業への意識や面接に向かう意欲にも真剣みが加わり、秋には希望の職に内定されました。現在は社会人として活躍していらっしゃいます。

担当講師の見解

入会された時のSさんは小柄で少々多動傾向のあるとても可愛らしい男の子でした。文字を読んだり数えることはできていましたが、書くことや相手の話を理解することが苦手でした。線や形、絵を描くことを通して空間認知の力や巧緻性を養い、書字学習へと繋げていきました。決して丁寧な文字ではありませんでしたが、あえてそこに集中することなく読解力をはじめ、理解力を増すことに学習のウエイトを置いてきました。小学校高学年にもなると少しづつ本人にも学習意欲が芽生え、成績も意識するようになり、授業は教科学習中心となりました。しかし、この間もコミュニケーションには問題があり、人を避けるような素振りは変わりませんでした。学力は比較的順調に伸びていきましたが、友人関係が成立したり、コミュニケーションが比較的スムーズになったのは大学生になってからです。殊に、就職活動の1年間では「世間の壁」にも直面し、しかし気持ちを立て直し、大きく成長しました。今後、社会人として彼が一層成長されることを期待しています。

診断

自閉症スペクトラム障害(ASD)

進路状況

就学前 小学校 中学校 高校 専門学校・大学 就職
私立幼稚園 公立小学校
(普通級)
公立中学校
(普通級)
私立全日制
普通高校
私立四年生大学
(商学部)
一般就職
(従業員300名規模)

 

*イニシャルは本人のプライバシー保護の観点から実名とは異なります。

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